就職率99%は本当か?

専門学校の広告をいくつか見ていると、その中に「就職率99%」といった非常に高い数値を掲げているところも多く見かけます。

大学の新卒者の就職率が60~70%という現代において、ほぼ100%に近い就職率を誇っている専門学校は大変魅力的に感じます。

そうした広告の数字を見ると「大学なんかに行くよりも専門学校に行った方が確実に就職できていいのではないか」と思ってしまいそうですが、そうした学校から公表される数字だけを鵜呑みにしてしまうというのは危険です。

もちろん全国には地元の企業と強いパイプがあり実際に高い就職率を実現している企業もないとは言いません。

ですがことさらに就職率の高さだけを強調している専門学校というのは数字を良くすることだけに注力しているという可能性もあり、実際の就職に本当に役立つ勉強ができるかということでは疑問に思う場合もよくあります。

極端に就職率のよい専門学校の場合、就職先が見つからない学生に対して「自分の意志で就職をしません」といった書類にサインをさせていたり、卒業後の進路に「家事手伝い」といったことを記載させるという方法がとられていたりします。

統計的には自分の意志で就職をしないと回答したり、家事手伝いになることを選択した場合には就職率を算出する場合の母数から除外されるためそうした操作を徹底することで100%に限りなく近い就職率を実現することができたりします。

本当に自分が希望する就職先を見つけるには

これから専門学校に入学することを考える場合には、就職率だけでなくその学校でどういった学習ができるかといったことを重視した方がよいようです。

医療系や福祉系の専門学校の場合には、就職率よりもむしろ国家試験合格率を見た方がよいと言えます。

専門学校の良し悪しを決める基準として、地元の企業からの就職枠をどれくらい確保できているかということもあります。

地元で長く運営している専門学校の場合、近くの企業からの新規採用枠を毎年必ず確保していたりするということも多いため、全くゼロから就職活動をするよりもかなり有利に採用を得ることも可能です。

ですので複数の専門学校から入学先を選ぶなら、毎年特定の企業などに採用をされているかということも細かくデータで見ておくようにしたいところです。

ただしそうした人気の高い就職先の場合には、学校内での競争率も激化しますのであらかじめ就職に強いコネのある講師のいる授業を取るなどの工夫が求められます。

資格を取得することが強みになる学校がおすすめ

専門学校に進学したからといって必ずよい就職先に巡りあうことはできないというのが現在です。

ですのでもしこれから専門学校を選ぶなら就職先まで学校任せにするのではなく、そこで取得できる技能や資格の方に注目をするべきといえます。

例えば医療系の看護師や検査業務などは資格を取得しているというだけで全国で通用する強いスキルになります。

調理師や栄養士、建築や工学系の資格も一度取得をすれば広く仕事を探すことができます。

資格に強い専門学校は優秀な講師を揃えているということでもあるため、事前にカリキュラムや資格合格率なども詳しく問い合わせて応募をするようにしましょう。